2015年6月20日、笛吹川水系東沢・鶏冠谷右俣

 肩と指の調子もよくないし、岩へ行ってもコンディションはよくない。パートナーさまも肘と指の調子がよくないと言うことで沢登りへ行くことにした。いろいろ調べて検討した結果、日帰りでいけそうな奥秩父の沢で、難しくなさそうな鶏冠谷右俣が候補に上がった。。
 この時期にしては、かなり冷たい寒気が上空に南下しつつあった。土曜日の夕方ぐらいから甲信地方も大気が不安定になると天気予報が言っている。沢に中で数十mmの雨に降られたらどうしようという不安もあったが、ウェザニュースの金曜日の勝沼の降水量を見たら、累積0.5mmしか降っていなかった。雨も夕方からだから、それまでには下山できるだろうと、若干の不安を持ちながらも入渓したのだった。結果としては、本降りになる前に下山できたのだが、リスクは高かったかなぁと後で思った。

(1) 西沢渓谷入口市営無料駐車場出発、7:10
・新しく導入した沢用新兵器の準備で出発が遅れた。

〇 入渓、07:50
・勝沼あたりから見た山はガスがかかっていて、今日はダメかもと思いながら、西沢渓谷まで到着すると、青空が見えていた。
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(2) 魚止ノ滝、08:22
・先行パーティが、直登できないか探っていた。結局、直登はあきらめて、右側から巻きだした。
・我々の方が先に巻道へ入ろうとしたが、我々の方が遅いので、道を先にゆずった。
・フットホールドがない! 残置ロープを頼りにトラバースするが、のけぞり状態になってしまって、とても登り辛かったです。

〇 魚止ノ滝10m、08:22
・写真は先行パーティさんです。
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(3) 逆さくの字滝、08:56
・写真で見ていたより、水量が多い。前日に勝沼で雨が降っていなくても、山は雨だったのかもしれない。
・出だし、ナッツを入れられた。水際よりひとつ上がって登り始める。
・アンダーレイバック気味に超えていくと、残地が3本あった。全てランナー通して、でっ、どっちへいくんだ?
・水際か?いやー滑りそう。でっ、A0して無理やり残置側を登った。足がヌルヌルでのツリツリ。

〇 魚止メの滝~逆さくの字滝
・その後、直登できる滝が殆どだった。
・がっ、またやってしまった。途中、手前の二俣でチェックせず、多分、飯盛沢へ入り込んでしまった。おかしい?と思ってからGPSで位置を確認すると、鶏冠谷のラインから完全にはずれていた。
・出会いでは、鶏冠谷側の方が沢底が高く、水が少なかったので、こちらに入ってしまった。
・結構上ってから気が付いた。30分ぐらいの時間をロスしてしまった。
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〇 逆さくの時滝10×20m
・まー、落ちてもウォータースライダーか? でも落ちたくない。
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〇 逆さくの字滝~二俣、11:00ごろ
・微妙なナメ滝が続く。
・結局、殆ど直登できるのだが、どれも高度があって緊張する。
・しかも、この沢、全てヌルヌルなんです。
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(4) 左俣との二俣
・ここは、右から巻いて、25m滝の落ち口へ懸垂することもできるらしい。
・我々は左側の高巻きを選んだ。
・しっかりした踏み跡というほどの踏み跡はなく、いたるところ薄い踏み跡だらけで、自分達で選びながら進んだ。と言うのは嘘で、パートナーさまは、もろい足場にビビってしまい、慣れないバイルを不器用そうに、斜面にひっかけながら言われるがまま登っていた。それでもバイルがあった方がよかたようだ。
・尾根っぽいところから向こう側は明瞭な踏み跡になった。
・沢へ降りるところは不安だったので、灌木から30mでロープを垂らして、確保器をロープに通しながら慎重に降りた。
・結局、探りながら下降するより、ロープで降りちゃった方が全然早いのかもしれない。
・今回導入した、ミゾーさんのミニバイルが早々に活躍した。

(5) 4m滝
・ガイドブックやブログにある、倒木があれば簡単に登れる滝は、ラッキー! 倒木があった。
・確かに、倒木なかったら、このヌルヌル滝は厳しそうだ。巻くのは、もっと大変そう。

(6) 30mの滝、12:25
・もう難しいところはないはずと安堵していたら、前方に、とっても急なナメ滝が現れる。傾斜があっても、ナメ滝はナメ滝と呼ぶのだろう。
・えっ!どこ登るんだ? トポには「右壁を巻き気味に登る」とある。でっ、水際の右側を登ろうとしてみた。あまりよろしくない一段を上がってみた。これ終われば、その後は簡単なんだろうと期待して。がっ、その上も難しそう!しかも、残置ピトンは見当たらないし、自分でランナー作れる気配もない。5mぐらい登って、見えない乗越し部分まで行けそうだが、その先が全然見えない。ランナーなしで踏み込める気はしなかった。
・さらに右から入るのでは? ここは一旦降りることにしたのだが、これはやばいかもと思いながら上がってきた、その一歩のクライムダウンはできるのか?
・リスを真剣に探した。泥を掃除したら入りそうなリスがあった。使うとは思っていなかったハーケンをリスにさして、導入したばかりのミニバイルで思いっきりハーケンを打った。いい音はしなかった。フルテンションかけると、抜けそう?アゴまで入らなかった。シュリンゲをタイオフし、ロープを通して、8環を通して、クライムダウンした。そのクライムダウンは思ったほど難しくなかった。よかった。
・さらに右側のガサガサの溝状を登って行った。この後どうなるんだ?と不安を覚えながら、一か所、細~い灌木にランナーを取れた。ガレ溝は行き詰って、もろうそうな壁を登らないといけない。でっぱった岩にテープをかけて、気持ちだけのランナーにした。かけてるだけで効かないだろうけど。そしたら、左側にハーケンを見つけた。
・がっ、そこからが核心だった。どっちから行くんだ?直登すると、その後下り気味の恐そうなトラバース待っているように見える。左へトラバースしてみた。最初のうちは、まだ足場があったのだが、段々心細い足場になってきた。恐ぇー。
・おもいっきり引いたら壊れそうなガバ。そこから手を離して左へ一歩足をだすのか? 心の準備をするために、随分時間がかかった。ここでスリップしたら? こんな場面で想像力が豊か過ぎるのも困ったものだ。
・既に30mロープで、残り長さが気になるぐらい上がってきてしまった。錆びたハーケンから5mはランナウトしている。落ちたら確実に死にそう。
・指先がかかる溝があった。渾身の力で保持しながら、ヌメヌメの少し傾斜のないところへ足を上げる。そこから、さらに3歩。よかった~。落ちなかった。
・寿命が縮まった。

〇 問題だった「ナメ滝帯手前の30mの滝」
・ここ、恐過ぎでした。
・ガイドブックには、「右壁を巻き気味に上がる」としか書いてありませんでした。
・下の写真のさらに右側のガレキ溝状を上がっていくのが「東京起点・沢登ルート120」ガイドブック書いてあるラインとしては正解のようですが、上部のランナウトと危険度から正解とも思えません。
・上から見ると、左側も、一段上がったところからシャワークライムでバンドっぽいところへ上がれば、そのまま登れそうではあるのですが。左側を登ったというブログもあるのですけど。?左側から巻けるらしい(当日同じく入渓していた3人パーティの方から)。
・ランナウトしながら、ラインを探すのは、もう精神的に大変で、これで疲れ切りました。
・クライミングで言うなら、30mの高さで、5.9ぐらいの3歩を初見でフリーソロするような感じでしょうか。
・前日の雨のせいか。フットホールドが濡れていて、効くかどうかわからない外傾してるヌルヌルっぽいフットホールドに、足を載せて、体重かけるのが、めちゃくちゃ恐かった~。
・ランナーは遥か下、そのランナーもいつ打たれたかわからない、錆び錆びのハーケンだし、ロープは落ちないの前提の8mmシングルだし、ホールドはいつくずれてもおかしくなくて、登ってる最中もホールドとれまくりだし、ここはちょっと、10回やったら1回ぐらいは落ちるんじゃないかぐらいのリスク高過ぎでした。
・調べてみると、古い沢ガイド「東京近郊の沢」では、ゴルジュ出口の30mの滝は左から巻くになってましたが、巻きもあまり簡単ではなさそうです。
・別のブログでも、やはり左からバンドを超えるという記事もありました。
・写真は、最初に間違えたラインの写真です。この後降りてきています。
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〇 30mの滝の正解は?(追記)
・帰ってきてから、ググってみた。こちらの記録だけが、はまったような表現がなかった。
http://nakayamayu.web.fc2.com/record/2011/11tosaka/
・どうも下の写真に入れた赤矢印の左バンドから小さく巻くのが正解っぽいが?
・他の記録では、左から巻いても、かなり苦戦するらしい記載が多いが、小さく巻くとよいのかも?
・最近の激しい台風で、昔とは変わってしまったのかもしれませんけど。
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〇 上部ナメ滝帯、14:45
・まだまだ、続くナメ滝。
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〇 まだまだ続くナメ滝
・ヌルヌル過ぎて、その上、意外と高度があったりで安堵できせん。
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(7) 大滝40m下、14:50
・ようやくたどりついた、大滝40m下。
・予定より2時間遅れ。
・手前の支沢を巻き気味に5m登って、その後すぐに右側の小尾根へ向かって登り、尾根沿いをあまり右側へ行きすぎないよう、踏み跡?獣道?を探しながら、40分で近丸新道へ出ました。

(8) 近丸新道出発、15:50
・腿の前と後ろが既に筋肉痛でした。
・途中、3回も休んでしまいました。

(9) 徳ちゃん新道経由で西沢山荘着、18:00
・駐車場へ到着する前に土砂降りになってしまいました。

〇 大滝40m
・ようやくつきました。遡行終了ポイント。
・手前の右から入っている支沢を一段上がり、すぐに右側の尾根へ取りついて上がりました。
・踏み跡多数で、結局自分の感で上がっていくしかないようですが、まぁ、尾根沿いに上がっていけば問題ないようです。
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 20年ぶりに沢登り再開して泳ぐ沢から入ったのですが、それは大丈夫でした。しかし、今回のような高度感ある登りには、全く慣れていないことを今回の遡行を終えてみて実感したのでした。とても恐い場面がありました。体力的にも、まだまだです。前回ほどの疲労ではなかったのですが、下山したその時から体中バキバキです。
 2級の沢の巻きって、こんなにやばかったかなぁ。やばかったのは「30mの滝」だけなのですけど。と過去の記憶と比べるのですが…
 花崗岩の沢なので、フリクションがばっちりあるのかと期待していたら、ヌルヌルなんですね。たまに、こういったヌルヌルの沢に出くわすのですが、岩質の問題なのでしょうか?沢の向きの問題なのでしょうか?
 前回までは、20m×8mmのロープを使っていたのですが、この沢は足りない気がして、30m×8mmを買っておきました。随分助かりました。ついでに5m×8mmの所謂補助ロープを持って行ったのですが、巻きから降りるところとか、巻きで、ちょっと、持つ木がないところとか、手軽に補助に使えて、これもとても便利でした。それと、新規に導入した新兵器とは、沢用ミニバイルとピンソールでした。昔はカジタのアイスバイルを使っていたのですが、やはり、ちょっと長過ぎて使い辛かったのを覚えています。思い切ってかったら、とても使いやすかったです。いきなりハーケンを打つことになっちゃったし。ピンソールの方は、現場では、なかなか出してつけるタイミングがありませんでした。今回は、そこまで酷い泥泥の巻き道ではありませんでした。泥と岩が混じっていて岩が多いとなると、どうなのかなぁといったところです。雪渓がでてくれば、迷わず使えそうです。その他、反省点として、持っていったカラビナが少なすぎました。

〇 鶏冠谷右俣の感想
・なんとなく、恐そうな名前で敬遠していた沢でした。昔、東のナメ沢を登って、鶏冠尾根を下った時に、鶏冠という名前が恐怖心として、すり込まれたのでしょう(笑)。
・そんな記憶も薄れ、2級日帰りというグレードで気楽に行ってみたのですが。そんなに簡単な沢ではなかったです。まだ、自分が沢慣れていないだけかもしれませんが。
・ゴルジュ帯から出る「30mの滝」が恐かったです。それ以外は楽しめました。
・終始、岩がヌルヌルでした。ちょっと高くなると、その一歩でとても緊張します。少しでも安定してそうなところへの強引な大股の一歩が、とにかく多くて疲れました。
・後半のナメの連続帯は、時間に余裕があって晴れてれば、とても気持ちよいと思いますが、今回のように、雨が迫ってきている中で時間遅れ気味で急いで登っていると、これでもかと連続するナメ滝にうんざりしてきてしまいました。
・いろいろな要素が凝縮された、よい沢だと思います。初級者だけだとかなり危険ですが、しっかりとしたリーダーに連れてきてもらえれば、充実できて楽しめること、間違えないでしょう。
・30mの滝の謎は解けたようですが、4mの滝の倒木がなくなったら、乗り越えられるのか?ちょっと心配ですね。
・帰りに、はやぶさ温泉に初めて行ったのですが、ここのお湯がまたヌルヌルで、最後の最後までヌルヌルでしたという、おちでおわりました。沢がヌルヌルだったと散々書いていますが、どのぐらいヌルヌルかと言うと、サラダオイルは言い過ぎで、ハンドクリームぐらいです。ちょうど、はやぶさ温泉に入って、自分の肌を触るのと同じぐらいとか(笑)。

きん

by Climber-Kin | 2015-06-20 23:50 | 沢登り | Comments(4)
Commented by ゴン助 at 2015-06-21 15:13 x
毎回沢の記事面白いです。怖いけど登った後の達成感がクライミングみたいに素晴らしいんでしょうね。まぁ、私がやったら確実に怪我しますね。怪我で済めばいいけど。今年は久しぶりに夏山やって体力つけようと思ってます。
Commented by Climber-Kin at 2015-06-21 18:36
ゴン助先生、コメントありがとうございます。
今回は、かなり恐かったですねぇ。ラインを間違えたようです。ガイドブックにやられました(笑)。ゴン助さんも、ぜひ、刺激的な沢登りで体力つけてください。その体力のなさが一番の問題なんですけどね。ここ10年ばかり、クライミングばかりで上半身のみがりっぱになって、足が随分細くなってしまいました。
登りのうまい、ゴン助さんなら沢は全然大丈夫ですよ。
沢は道具や服装がちょっと違うので、最初お金がかかりますけどね。そう言えば、M金さんは沢登り、やらないのですか? 連れて行ってもらえばよいのに。
Commented by こーたろー at 2015-06-21 20:16 x
きんのアニキ お疲れ。前回もコメントしたけど本当に冒険だな。沢の写真を見てたら渓流釣りをしたくなってきたよ、久し振りにやってみようかな。
Commented by Climber-Kin at 2015-06-22 09:36
こーたろーの兄弟、沢登りは冒険だよ。だから、おもしろいんだぜ。渓流釣りか。魚止ノ滝まで、釣りしながら上がって降りてくるってのも、いいな。今度、釣竿貸してくれよ。
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