2016年8月13日~17日、立山駅~黒部湖~奥黒部ヒュッテ~黒部川上の廊下~薬師沢小屋~赤木沢~太郎平小屋~折立

 今年は水が少ない。我々のような体力がないパーティには、今年しかチャンスはないかもしれない。今シーズン、水が少ない沢を登っては、そんな考えが頭をよぎるようになってきた。昨年から、夏期間だけ沢登りを再開した。沢登りはパートナーさまの希望でもあった。昔は技量がなく、クラブでは、難しい沢へ連れて行ってもらえなかったらしい。そんな思いが今になって、沢への執着心を燃やしているのだろうか? その沢への積極的な気持ちに、私の心も動かされた。今シーズンも、こまめに沢登りへ出かけては、準備を整てて来た。そして今年の夏休みは26年前に遡行した「上の廊下」へ再度向かったのだった。26年前は体力のある男ばかりの5名のパーティで入った。水量は、少し増水気味だったのだろうか。細かいことは覚えていないが、「上の黒ビンガ」の写真と、ところどころで苦戦した記憶だけが残っている。今回は、メンバーからいって、私がすべてリードしないといけない。体力に心配しながらも、ラッキーなことに今年は雪が少なった。きっと、適度な難しさを楽しみながら、山深い北アルプスを味わえて、とても充実できるのではないだろうかと期待ばかり大きくなっていた。
 さて、遡行計画だが、これを機会に赤木沢も登ってみたい。いろいろと検討した結果、行きの運転が2時間ほど長くはなるが、立山駅からアルペンルートに入り、上の廊下~赤木沢~折立へ降りる計画を立てたのだった。結果的には、この最短のルートは、渇水気味で1日早く上の廊下を突破できたのと、下山日は大雨だったという。ぎりぎり快晴で赤木沢まで遡行ができて、とてもラッキーでした。

〇 黒部川上の廊下
・上の黒ビンガを上流から望む。
・26年前と同じ場所に立つ。この沢にとって、26年など一瞬のことなのだろう。変わらず美しい。
・ここまで、これたという安堵感と相まって、開放感が込み上げてきた。
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・下は26年前の写真です。
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〇 装備とコースタイム
・メンバー、まーさま、フージン、きん、計3名。
・共同装備、8mm×40mロープ、15mフローティングロープ、テープ、カラビナ、カム小さ目3個(花崗岩ゆえに役に立ちます)、ハーケン、テント、タープ、着火剤。ライフジャケット各。
・コース時間
-1日目(アプローチ)
6:00、立山駅切符購入(混雑、予約可能みたい)
7:00、立山駅出発(予定より、1時間遅れ)
8:50、黒部湖着(予定より、30分遅れ)
12:40、平の渡し着(待ち時間中に船頭さんの面白い話を聞けた)
14:00、平の渡しの出発
14:20、平の渡しから出発
16:20、東沢出合、奥黒部ヒュッテ着
-2日目
5:30、奥黒部ヒュッテ出発
16:00、金作谷先1692mの出合手前着、ビバーグ
-3日目
5:30、ビバーグ地出発
14:00、薬師沢小屋着
-4日目
5:30、薬師沢小屋発
7:00、赤木沢出合着
16:00、太郎平小屋着
-5日目
5:30、太郎平小屋発
8:30、折立着

 2日目で、奥黒部ヒュッテから金作谷出合先のS字状ゴルジュを超えたあたりまで行って、ビバーグしました。夜から雨が降り出しました。
 3日目は、曇り時々雨でした。初日に難しいセクションを終わらせておいてよかったと、すぐに増水し始めた沢を雨に濡れながら登っていきました。それでも、1400には薬師沢小屋に到着できました。
 4日目は、午前中は快晴、午後は雨という天気で、午前中のうちに赤木沢を詰められました。しかし、稜線へ出てから、太郎平小屋までは足がいたくて辛かったです。

 やはり、「黒部川・上の廊下」はすばらしい沢でした。自分の足で山の深い懐へ入って行き、北アルプスの3000m級の頂きへ詰めていく。長い年月かかって、磨き上げられてきた美しい花崗岩は、大迫力で迫ってきました。水量が多かったら、突破することだけに必死になってしまって、きっと、そんな悠長な楽しみは味わえなかったでしょう。渇水気味とはいえ、上の廊下は、どうどうと水が流れていました。金作谷出合の先のS字状ゴルジュは、やはり、この沢の核心でしょう。適度な困難さを楽しめました。
 赤木沢も、すばらしかったです。まさに完成された景観でした。続くナメ底をぐいぐい登って高度をかせぐのは楽しかったです。

(1) アプローチ(初日)、立山駅~黒部湖~奥黒部ヒュッテ
・東京から遠く、前日21:00に出発して、到着は26:00でした。
・5時半に切符売り場へ向かったのですが、甘かったです。
・往復なら予約ができるようです。
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・室堂から黒部湖までは、下りなので、がら空きでした。
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・黒部湖の水が少ない!
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・睡眠時間2時間が辛いです。
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・平の渡の船です。ようやく出発です。
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・ニジマスが釣れたようです。
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・平の渡から奥黒部ヒュッテへは、梯子の連続です。しかし、梯子がよくメンテしてあります。
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・奥黒部ヒュッテ着です。ビール買いたいがためにキャンプ場泊? いやいや、情報収集のためです。奥黒部ヒュッテのおやじさんから、月曜日は雨だよって。
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(2) 奥黒部ヒュッテ~1692mのビバーグ地
・しばらく、河原歩きが続きます。
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・下の黒ビンガは、あれってぐらい簡単に渡渉できました。26年前は、ここの渡渉で苦戦したのですが、今年はラッキーです。
・口元のタルは、泳いでへつり、水の中を突破できました。
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・上の黒ビンガも、難なく通過。26年前は、ここまで到達するのに、入渓してから2日目のかなり遅めの時間だったような気がするのですが、とにかく安堵です。しかし、上の廊下の核心は、金作谷先のS字ゴルジュです。油断はできません。
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・一面シャワー状。幅数100メートルに渡って、シャワー状です。癒されます。
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・金作谷手前。腰高の渡渉が続きます。
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・金作谷先S字状ゴルジュジュは、この先はへつりでは進めず、飛び込んで対岸へ移りました。
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・金作谷先S字状ゴルジュを超えたあたりで、ビバーグしました。
・砂地で平らで心地よかったです。1692mの出合のちょっと手前です。
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・釣りができた唯一のチャンスだったのですが、釣れませんでした。このあたりから薬師沢小屋までは魚影がありませんでした。薬師沢小屋から上は、沢山魚影がありました。薬師沢で話しかけてきた立川の釣り師さんが言うには、薬師沢が凄く釣れたそうです。200匹釣ったって言ってました。
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(3) 1692mのビバーグ地~薬師沢小屋
・最後の最後まで、水に浸かります。
・ガイドブックにある、スラブのトラバースは、ゴム底だと簡単です。後続のためのランナーに小さ目カムが便利です。
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・立石の奇岩帯。これ右側にあると思ったら、左側にありました。
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・薬師沢小屋が見えてきました。
・この直前の、ガイドブックにある、増水時は右側巻きとあるところを水際をへつったのですが、ムズイ!ここが一番難しかったかも(笑)。
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(4) 薬師沢小屋~赤木沢~中俣乗越~赤木岳~太郎山~太郎平小屋
・上の廊下を突破してきた達成感。今日は楽しい赤木沢! 天気も快晴。みな表情が明るいです。
・しかし、赤木沢は下調べ不足でした。アプローチ部分の奥の廊下で、ちょっとしょっぱい登りが。これ多分巻きだよ~!って後の祭り。時間を使ってしまいました。
・赤木沢最初の巻きは右側?藪漕ぎ状態になってしまった。間違えたのかも?
・黒部川上の廊下の唯一の滝?その手前に赤木沢出合があります。
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・赤木沢出合です。
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・赤木沢へ入るとすぐに滝が出迎えてくれます。
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・殆ど直登できます。
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・ぐいぐい、気持ちよ~く登れます。
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・25mの大滝です。これは、登れません。右側にしっかりした巻き道があります。
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・天国へ続くようなナメの廊下が続きます。
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・中俣乗越へ詰めたのですが、詰めはちょっと藪漕ぎで登山道まで、少しあります。尾根上が結構広いです。
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・ここから、4時間?結局、結構な行動時間になりました。
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・ようやくついた。ビールが待ってる~!
・生ビールありました041.gif。2杯飲んじゃいました。
・BSデジタルが見れます。オリンピック見ました。ネパール人シェルパがいたり。ネパールの上映会見ました。あー、山小屋は快適でした。
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きん

by Climber-Kin | 2016-08-21 12:51 | 沢登り | Comments(10)
Commented by M香 at 2016-08-21 22:00 x
お帰りなさい^^ 雄大な大自然に抱かれたすばらしい山行でしたね! もう私には体力も気力も(技術も^^;)ないので、素敵な写真で行った気分にさせて頂きました♪
Commented by JILL@ at 2016-08-21 22:11 x
無事にご帰還ですね。おつかれさまでした。20数年の思いを達成しましたね。空の青さと水の白さが美しいですね。
Commented by Climber-Kin at 2016-08-22 07:29
M香さま、ご無沙汰しております。体力も気力も技術も全て自分次第。奮起して、ぜひ返り咲きを。
その後、天候不順で、八ヶ岳近辺をうろちょろしてました(笑)。M香さんちに、ニアミスしてます。
Commented by Climber-Kin at 2016-08-22 07:31
JILL師匠、山は達成感があって、いいですね。また、来年も、どこかの大きな沢へ入りたいです。
Commented by Mっち at 2016-08-22 09:06 x
今夏の目標完登‼️
おめでとうございます。
\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/
Commented by Climber-Kin at 2016-08-22 10:01
Mっちさま、ありがとうございます。充実しました。しかし、この沢登っちゃったとなると、来年の夏の目標設定が大変そうです。
Commented by さち at 2016-08-22 11:41 x
お疲れさまでした。
お天気のことが少し心配でしたが、美しい所が晴れてよかったですね。5年前の私たちは、2日で口元のタル上の赤石沢出合までしか進めませんでした。
Commented by Climber-Kin at 2016-08-22 12:33
さちさん、骨折の回復具合は如何ですか。お大事にしてください。泳ぐ沢は水量で難易度が全く変わりますよね。水が多いと、ロープ出しっぱなしで、何倍も時間がかかりますよね。あと、フローティングロープをメインに使っていたので、それも、少し早かったかもしれません。
Commented by むら at 2016-08-22 14:33 x
大きな山行なので無事帰ってきた記事をチェックし続けてましたよ。おめでとうございました。
Commented by Climber-Kin at 2016-08-22 15:45
ありがとうございます。ご心配おかけしてすいません。そろそろ、クライミングへ復帰します。むらさまも、NDD頑張ってくださ~い。
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