2017年8月12日~15日、北アルプス・金木戸川~小倉谷~笠ヶ岳山荘・笠ヶ岳~新穂高温泉

 10日(木)の夜に出張先(神戸)から戻り、11日(山の日、金)の午前中に慌てて準備して、午後に沢の下調べして15:00に出発して、金木戸川ゲートへ前夜入りしました。夏休みは3年連続で今年も北アルプスの沢登りです。
 7月末から、毎週神戸へ出張してました。暑い神戸から週末に戻って、また神戸へ。ずっと猛暑でした。しかし、東京はずっと雨だったのですね。天気の全体像などわからず。飛騨地方の天気ばかり気にしていたのですが、入渓日の12日(土)は午前中雨ですが、午後から晴れ。翌日13日(日)は晴れ。14日(月)は曇り時々晴れ。下山予定日の15日(火)は午後から雨の予報でした。このタイミングしかない!みたいな予報でした。当然決行でした。
 11日(金)の15:00に出発したものの、目的地は遠いです。結局6時間の運転でした。金木戸川ゲートに到着すると、7台?ほどの車がありました。結構入渓してるなぁと思いながら、空いている場所に縦列駐車して、みじかい宴会をして、すぐに就寝したのでした。暑苦しくてよく眠れず翌朝を迎えました。

〇 装備とコースタイム
・メンバー、パートナーさま、きん、計2名。
・共同装備、8mm×30mロープ、テープ、補助ロープ12m(必須)、カラビナ、カム5個(1日目のCS4mを登るなら必須、0.75、0.5あたり)、ハーケン5枚(使わず)、アブミ(CS4mで使用)、ナッツ(使わず)。ツェルト。タープ。
・ライフジャケット(リーフツアラー)各。
・コース時間
◇ 1日目
6:40、金木戸川ゲート
10:00、小倉谷出合
16:30、広河原
◇ 2日目
6:30、幕場出発
16:30、標高1710mの先、白けたゴーロ
◇ 3日目
6:40、幕場出発
16:00、笠ヶ岳山荘着
◇ 4日目
4:30、笠ヶ岳山荘発
5:10、笠ヶ岳山荘戻り
6:20、笠ヶ岳山荘発
14:30、新穂高温泉着

◇ 1日目(8/12)
 12日(土)入渓日です。4:30に起床しました。まったくパッキングしていませんでした。のんびりパッキングしていると、元秀峰のKN子さんパーティがやってきました。びっくりしました。双六谷へ入るとのことです。また豊田ナンバーの4人パーティ(山岳同人RST)もやってきました。こちらのパーティとは小倉谷で何度もお世話になりました。何とか準備を済ませ6:40、一番に出発しました。ザックを背負って、あっ重い! 何も考えず、いきなりパッキングしただけでした。もう少し荷物減らすべきだった。これは苦労しそうだなぁと、嫌な予感を持ちながらの出発でした。小倉谷出合へ向かう途中に3パーティが戻ってきていました。いつの間に、こんなに人が入っていたんだろう? 停めてあった車には誰もいなかったのに。昨日のうちに入ったのか? 双六谷、打込谷へ入るパーティが打込谷出合の渡渉を断念して戻ってきたとのことでした。確かに、この上に取り水口が二カ所もあるにも関わらず、沢は結構な増水で第一取り水口は凄い水量を放出していました。結構な不安をもって、先に進みます。第2取り水口を過ぎて、小倉谷出合で、KN子さんパーティと再び出会いました。あれっ?索道跡はもっと手前なのに?と思ったのは後からでした。無事索道跡を見つけられたのでしょうか?
 さて、小倉谷出合は、水量は多いようですが、流れは穏やかです。泳いで渡れそうです。早々に遡行の準備をして入渓しました。空身で泳いで渡渉して、パートナーさまにザックをビート版にして来てねと助言しました。
 いよいよ、遡行開始でした。しかし、結構遡行したのに、TY野さんの北ア沢・ガイドブックにある4m斜ナメが全然出て来ません。そこまで到達するまででも結構苦戦したました。本流から分かれて、やはり支流は水が少ないなぁと感じたのですが、傾斜が強い沢なので、増水で、どこもかしこも時間がかかりました。4m斜ナメの次の10mトイ状も進んでも進んでも全然出て来ません。初日の核心と思っていた「4m直、右のクラックをカム+人工」に到着したのは、15:00過ぎだったような気がします。ここは突破しないと、とんでもない高巻が待っていると思っていたのですが、左から巻けるようです。後続パーティが巻いてました。RSTパーティも巻いたようでした。そう、ここは巻いた方がよいです。カム+人工は簡単なのですが、そこから落ち口へのトラバースが悪いです。落ちたらただではすみません。空身+ザック引き上げは時間がかかりました。巻いた方が全然早いです。横からの滝15mを巻いて、その先のガイド本に広河原と書かれている1,350mぐらいのポイントで初日ビバーグしました。行動時間10時間でした。

〇 長いアプローチ開始
・林道4時間?相変わらず、長い!
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〇 橋が崩落
・なんと橋が崩落していました。これで終わり? 
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・よかった。迂回路がありました。
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〇 小倉谷出合
・水量は多いですが、上流側から泳げば簡単そうでした。
・パートナーさまに、ザックの頭を水につけるなと散々お願いしたのですが、意味がわかっていなかったようで、難なく渡渉は終了したのですが、渡渉後のザックの重さは、明らかに3kgぐらい増加してました。
・このぐらいの水量だったら、ザックを自分で背負って泳げばよかったと後悔したのでした。
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〇 入渓した小倉谷は増水気味
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〇 ようやく、丸いトイ状10m
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〇 ぎりぎり行ける
・胸までつかる。行けた! 気持ちヒヤヒヤです。
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〇 ゴルジュ帯
・緊張した遡行が続きます。
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〇 怖かった4m直、カム+アブミ+フリートラバース
・ここは突破しないといけないと思い込んでました。なんと他パーティは巻いてました。オーマイガー!
・カム+アブミは、キャメロット0.5ぐらい(今回メトリウス使った)がはまります。アブミ上段に立てば簡単にバンドに立てます。
・しかし、問題はそこからの滝落ち口へのトラバースが難いです。ランナーは足元で、落ちたら無事では、すまないです。
・5mm径の枝にプルージックして、気持ちランナー?飾りランナー?取りました。フルテンションかけなければ持つかも?
・ここは巻きましょう!

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〇 初日ビバーグ地到着
・沢から10cm高。この沢に所謂ビバーグ適地はないようです。
・焚き木も豊富ではありませんでした。火が付いて安堵したところです。
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◇ 2日目(8/13)
 昨夜は、興奮のせいか、なかなか寝付けませんでした。寝付けたと思ったら、すぐに目が覚めてしまって、時計を見たらまだ23:30でした。あきらめて、寝袋の中でペットボトルを股に挟んだり腿の裏にしたりして張った足をほぐしているうちに再び寝付けました。
 緊張の核心の2日目です。明るくなり始める4:30に起床して、焚火をつけました。固形燃料で昨夜の残りの焚き木にすぐに火がつきました。多分沢中では落ち着かないので、あまり食べられないでしょうから、しっかり朝食をとりました。昨日のペースでわかったのですが、この沢は長いです。もしかしたら、1泊増えるかも?今日どこまで行けるかだ? 出発です。途中、RSTの方々に追い越され、追い越し。ガイドブックにない難しい滝や巻きが、次から次への現れました。泳ぎで取りつく15m淵+3mチョックストーンや残置のある左側バンドをトラバースして滝左脇を登る大ゴルジュ帯の核心。ようやく抜けて、ナメ滝を進むも、二俣は全然見えてきません。二俣手前の白けたゴーロと記載されているところで2日目のビバーグすることにしました。沢から10cmもない沢の中で、整地して何とか寝られました。全くビバーグ適地ではないのですが、これ以上歩くと明日動けなくなりそうなぐらい疲れてました。雨降ったら逃げるってことでなるべく荷物はまとめて就寝しました。山岳同人RSTの方々はもう少し上でビバーグしたようでした。

〇 緊張して出発
・いよいよ、2日目。この沢の核心セクションの始まりです。1日目にして、もう十分に難しかったので、さらに緊張です。
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〇 核心の一つ、3mのCS
・到着すると、山岳同人RSTが突破しているところでした。
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・空身で泳いで取りついて突破しました。30mロープに12mの補助ロープを繋いで、ザックを荷揚げしました。
・泳いで取りつけるほど、水流は弱くありませんでした。壁のホールドを頼りに水中へつりでした。簡単ではなかったです。空身でよかったです。
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・30mロープでは、ザック持ち上げに足りません。40mロープが必要でした。我々は30mロープだったので、12m補助ロープを繋いで、ザックを引き上げました。
・そして、この時もパートナーさまは、ロープを連結する間中、私のザックを嫌がらせのように水に浸けるのでした。
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・登り自体は難しくないです。ただ、ザック背負っていると、水から上がれないかも。
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〇 2日目2つ目の核心、釜を持った6m滝
・ガイドブックにある、赤く長いスリング残置、滝の水流に僅かに触れて登る、核心。
・赤く長いスリングではなかったが残置あり、左手バンドをトラバースして流水の横へ入ると残置ハーケンがあった。
・安心して、もう一段あがると、もう一つ残置ハーケンがあった。
・滝の左側テラスに登ぼってアンカーを取る。30mロープ側はランニングビレイを取っているので、補助ロープ12mでザックを上げた。(ここをザック背負って突破できるなら補助ロープは不要だが、空身で登る場合は補助ロープが必須になる。)
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・さらに左側を巻いて進むが、懸垂下降で沢底へ降りる。
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〇 安堵できない遡行が続く
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〇 ようやく安堵できるナメ
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〇 40mの滝
・圧巻の40mの滝。しばし見とれる。
・しかし、この巻きも?ガイドブックには15分?実際は1時間級でした。
・左のガレ沢沿いに登っていけば、もう少し早かったのかも?でもいくらなんでも15分はないだろう。TY野さん!
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〇 今晩のビバーグ地
・40mの滝を超えても、二俣はまだまだです。沢が右へ曲がり、白けたゴーロと記載されているところで、今日は力つきました。もう動けません。
・全くビバーグ適地ではないのですが、整地して無理やり泊まりました。
・今日も火がついてよかった。
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◇ 3日目(8/14)
 明日は天気が崩れる。今日のうちに笠ヶ岳まで抜けたい。しかし、予定よりかなり低いところでの3日目を迎えました。まずは、手前の二俣でした。出合の右俣は登れないので、左俣のナメ滝をいくつか登ってからの巻きでした。その支尾根を超える巻きの入り口には散々迷いました。ここだろうと決めて入ってみたら、踏み跡があり当たり!と喜んでいるうちに、どんどん熊笹が濃くなり、笹のトンネルじょうたいになり、もう踏み跡などありません。適当なところで支尾根を目指し、笹やぶを尻セイドーで降りながら右俣へ戻れました。巻きは奥多摩や奥秩父の巻きと違って、圧倒的に入る人数が少ないので自力突破ですねぇ。巻きのたびに迷路クイズでした。2段40mの下段は左側、上段は右巻きも、水流多くて水際は登れません。その左側を空身で登ってザックを上げました。フリーソロ5.7、5mって感じでした。もう安堵できるだろうと思っていたのに、全然安堵できません。ようやく奥の二俣に到着し、もうこれでロープ使うことはないだろうと思ってたら、さらに30mロープめいっぱり出したり、もうないだろうと思ったら、最後の最後、いやらしい3mのクラックが。もうお腹いっぱいでした。ようやく、安堵してどこでも登れるナメ滝を超えて、水がなくなりました。しばらくは、ガレを順調に登って行ったのですが、笠ヶ岳に向かって、どんどん傾斜が強くなっていきました。笠ヶ岳頂上から200mぐらい下あたりで、廃道を見つけました。廃道は超快適でした。そこから20分ほどで笠ヶ岳小屋に到着しました。

〇 二俣
・大迫力の二俣です。右俣は登れません。左俣を登って、ナメ滝3つぐらい超えたあたりで右の藪に入って巻きます。入り口に明瞭な踏み跡はなく、かなり悩みます。
・ザレザレを超すと、最初は踏み跡があるのですが、ここは北アルプスの沢、すぐに踏み跡らしきはなくなり、自力でルートファインディングです。
・立派な熊笹です。熊笹の屋根をくぐりながら、降り口を探ります。
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・左俣のナメです。
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・左俣この滝を前に右手の藪に入りました。
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〇 左から巻く30mの滝
・ガイドブックには巻きは簡単とありましたが、巻き、左のガレの登りは悪かったです。崩壊中のガレで50cm級のガレ岩を何個も落として登りました。
・その後は踏み跡っぽい熊笹のジャングルを結構上がりました。上がり過ぎたかな?と思ったあたりで、右へトラバースして尾根を越えて、またまた尻セードーで笹を降りて行くと、展望台一枚岩の少し上に出ました。
・ある記録では、ここでビバーグしたような。確かに、焚火跡がありました。
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・ここでビバーグすると気持ちよいでしょう。しかし、2日目にここまで来るのは難しいような。水量が普通なら、来れるのか?
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〇 しばし安堵
・歩きやすいナメ底が出ると安堵します。
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〇 奥の二俣から安堵のはずが?
・もう怖いのはないはずが?
・高度感あるのでロープだしました。
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〇 ようやく稜線が
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〇 笠ヶ岳直下のガレガレ?
・いえいえ、まだまだ直下ではないです。
・遠く見える、白いY字形が見えるあたりが直下です。ここから、さらに3時間ぐらいかかります。
・こんなガレがずっとずっと続きます。どんどん傾斜が強くなっていきます。
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・3日目、もう足が上がりません。
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〇 廃道見っけ!
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〇 笠ヶ岳山荘着
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・少しだけ北アルプスの絶景
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◇ 4日目(8/15、下山)
 朝4時に起きて、空身で笠ヶ岳ピストンしました。山荘に戻って、山岳同人RSTの方々に挨拶をして下山しました。毎度のことながら、疲れ切った上の標高差1700mの下山は地獄でした。コースタイム+1時間ぐらいで新穂高温泉に下山しました。疲れ切りました。

〇 下山途中
・雷鳥ファミリーが癒してくれました。
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 素晴らしい沢でした。増水しているからかもしれませんが、難しかったです。少し、難しい沢に慣れていないと突破できなさそうな箇所がいくつもありました。双六谷の支流ってことから、地味な沢ではないかってそうぞしてましたが、全く違っていて、北アルプスの沢の代表する一つではないかと思います。これは茗渓です。40m級のうっとりする滝がいくつあったのでしょう?数え切れませんでした。必死になって突破した釜+滝。何度も苦戦しながら巻いたジャングルのような笹藪。空身でないと登れなかった、小滝や大岩。そして、最後にナメ滝に癒されながら、最後の最後まで緊張させられて、やがて、笠ヶ岳を前にガレを詰めていく。充実過ぎる夏休みでした。
 最後に、山岳同人RSTさんには、先行してもらって、2回Fixロープ張ってもらって助けてもらいました。ありがとうございました。

きん


by Climber-Kin | 2017-08-17 18:52 | 沢登り | Comments(6)
Commented by さち at 2017-08-18 21:53 x
きんさん、小倉谷完登おめでとうございます!
茗渓ですよね。絶対!
行きたかったけれど今は行けない憧れの沢です。
Commented by 山岳同人RSTのアル中ことyamaski at 2017-08-19 09:03 x
小倉谷ではお世話になりました。オールマイティに活躍されていてすごいですね。詳細な記録とても参考になります。過去の記録ではスキーもハイレベルな領域ですね。また、どこかでお会いできたら、お酒でもご一緒おねがいします。
Commented by Climber-Kin at 2017-08-20 21:12
さちさん、ご無沙汰しております。小倉谷はすばらしい沢でした。今回も3パーティほど入っていて(1パーティは引き返していきました。)、それなりにメジャーな沢になってきているのかもしれませんね。
Commented by Climber-Kin at 2017-08-20 21:19
山岳同人RSTさま、こちらこそお世話になりました。こちらは二人で不安なところがありました。同じ沢に別パーティがいるだけで心強かったです。来シーズン、どちらへ行くか情報ください。尾行します(笑)。
Commented by Ucheetah at 2017-08-21 17:38 x
初めてコメントします。完登おめでとうございます!1日前に入渓して4名で九郎右衛門沢を遡行しました。きんさんの九郎右衛門沢の記録を参考にさせて頂きました。確かに水量が多く苦労しましたが、こちらもなんとか無事に完登出来ました。来年は小倉谷にチャレンジしたいです。\(^^)/
Commented by Climber-Kin at 2017-08-21 21:26
Ucheetahさま、双六谷~九郎右衛門沢の遡行おめでとうございます。本流側の方が増水が多くて大変だったのではないでしょうか。小倉谷は、ぜひ登ってください。双六谷とは全く違うタイプの沢で、こちらも、すばらしい茗渓です。
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