ATCとグリグリの違い

「ATCでビレイして気がついたこと」

先日、有笠で荷物をサンダンスエリアにおいたままサザナミエリアへ移動した。その際に不覚にもグリグリをもって行かず、久しぶりに借りたATCでビレイしたのだった。ちょっと気がついたのだが、ATCの仕様上、右手はロープから離さないとなると、ロープを繰り出す際に、右手で押し出し、左手で引くという動作になる。即ち、ビレイ器の位置から左手を伸ばせる長さが一度のストロークで繰り出せる長さになる。そして私のハーネスはエアロライト。普通のハーネスよりビレイ器の位置はさらに高くなる。その分、一度のストロークで繰り出せるロープの長さがずいぶん短くなる。とても忙しいし、間に合わない場合が多かった。T助さんごめんなさい。グリグリの場合は、それプラス右手でグリグリを下に下げられるので、エアロライトハーネスでも、問題なくロープを繰り出すことができるのだ。今回の経験でひとつ結論を持った。

「エアロライトハーネス装着時にATCを使うと、ロープを繰り出すスピードが遅くなり、クライマーのクリップ時のロープ繰り出しスピードに間に合わない!」

というのが今回の経験での私の結論だ。普通のハーネスでも、多かれ少なかれ同じ傾向だと思う。ATCでビレイしている人はロープ多めにだしているのはこのためなのかと納得もしたのであった。ビレイされる側のクライマーにとっても、グリグリの方が利益ありという結論とエアロライトハーネスを使ってビレイする場合はグリグリタイプのビレイ器を使うべきだということを強く感じたのだった。

P.S.

グリグリの問題点はクライマーが不意の墜落をした場合、両手でロープを握ってしまうと、ロープがロックせず流れてしまう危険な問題を持っていることです。使い始めた初期に私は落す方も落される方も経験してしまいました。ビレイヤーも手痛い火傷を負います。これは、ビレイ時に皮手袋をすれば回避することができます。その経験から私はビレイ時にグロープを着用します。それ以来、ロープを流してしまったいう経験は一度もありません。さらに付け加えると、通常のクライマーの墜落では両手を同時に握ってしまうということはありません。クライマーのフォールに加え、ホールド欠落とか落石が同時に発生するとかの不測の事態の際に、我々は反射的に両手を握ってしまうという動作をしてしまいます。(クライマー墜落時に両手でロープを握ってもATCだと問題はありません。)

きん
by climber-kin | 2006-05-26 21:59 | クライミングの研究 | Comments(8)
Commented by こーたろー at 2006-05-27 10:35 x
私は、エイト環、ATC、シンチの3つをビレイ機器として携行しています。いつもはシンチですね。ただ、クライマーによってはオートロック機能のビレイ機を嫌がる人がいるので、ATCも携行しています。エイト環によるビレイはめったに使いませんが「覚えておいて損はなし」ですね。
ATCのビレイの動きはあらゆるビレイ機の動作の元だと思うのでATCでビレイを習熟してからグリグリやシンチ等を覚えるのが良いかと考えています。
Commented by climber-kin at 2006-05-27 11:07
昔はエイトカンで所謂、ちょいがけというのをグリグリが出てくるまで、結構長い間使ってましたね。ATCでビレイしてもらうと、きわどいクリップ時に、ロープ繰り出しがカクカクになりやすいということを感じました。誰か、よい方法を提案してもらえるとよいなぁと。私は10年以上グリグリを使ってますが、誉められることはあるけど、文句を言われたことはないですね。ただし、グリグリはあくまでグローブをつけてです。素手+グリグリの問題点は本文にあるとおりです。
Commented by こーたろー at 2006-05-27 14:52 x
シンチやグリグリはATCにくらべ制動が急なので、クライマーがビレイヤーより極端に軽い場合所謂"ビッタンコビレイ"になりやすいとの事です。
蛇足ですが、同じ制動の理由からナチュプロルートのビレイをする時はATCにしています。できるだけやわらかく止めてあげたいですからね。
Commented by climber-kin at 2006-05-27 16:37
グリグリで流す必要がある場合は、斜め前方にジャンプでちょうどよいぐらいの気がしています。ナチュプロの場合はATCで、さらに流した方がいいでしょうね。それができるかどうかは、ビレイヤの技術ですけど。なかなか難しいですね。ATCも流すならグローブしてないと、たいへんだ。

Commented by プラクライマ at 2006-05-28 10:55 x
私の場合は、自分のビレーを頼む時には、ATC、ルベルソなどのチューブ型デバイスを使用するようお願いします。体重が軽いので、グリグリやシンチだと墜落時にロープがロックして、壁にたたきつけられてしまいます。
Commented by climber-kin at 2006-05-28 22:08
プラクライマさん、
ビレイヤがジャンプするぐらいじゃだめですか。二子とか被った壁だとジャンプとロープの伸びでけっこういいぐあいですけど。
Commented by プラクライマ at 2006-05-30 10:31 x
そういうビレイをしていただけるのであれば大丈夫だと思います。垂壁で 1 m ぐらいのフォールが一番あぶないですね。
Commented by Climber-Kin at 2006-05-31 08:41
そうですね、特に、垂壁で、出だしの墜落係数の大きいところは、グランドの可能性もあったりして、逆に流すと危険だし、高いところでは、ロープが出ているので、あまり気にしなくてもよかったり、テラスがあったりすると流さなかったり、状況次第でいろいろなパターンが必要ですね。それと、体重軽い人は、10mmとか10.2mmとかの伸びるロープの方がよいのかもしれませんね。
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