2008年 10月 12日
2008年10月11日、カサメリ沢、NDDをRP
「ナイト・ディジィ・ダンス(12b)をついに登れました!」
土曜日は前線が通過するため、午前中弱雨か曇りの予報。いずれにしろ、前日降っているから、土曜日はヌンチャク掛けと最後の最後の手順のムーブ改良。土曜日はセーブして、日曜日が勝負かなと思っていた。ただ、日曜日は冬型になり、また、岩が冷たくてダメかもしれないとも心配していた。今シーズン最後のチャンスになるかもしれないと思いながらも、そんな不安を持ちながら、カサメリ沢へ向かったのだった。コロッセオで、今シーズン一番早くから通い続けた箸も氏と合流する。今日のコロッセオは3人でとても静かだっだ。ところが、予想外に、昼から急速に天気が回復し青空が出てきて、湿度も下がってきてくれた。しかも、岩は冷たくない。神様は私に最後のチャンスを与えてくれたようだった。
(1) トータルリコール(10b)、再登アップ
黒い雲が流れてきては、かすめていった。降ってもおかしくないなぁ。空は雲に覆れている。だけど、今日は岩が冷たくない。
(2) ナイト・ディジィ・ダンス(12b)、ヌン掛け、ムーブ修正
先週、先々週とアンダーフレーク2回止った。しかし、その後の左手終了点テラスリップ右端ガバへの強引な一手で2度とも落されている。最後の詰めのムーブをもう一度確認する。アンダーフレーク刺してから、ステップして、左足掻き込んで、上部例の穴ホールドへ。あっ届くぞー。そこから、右足上げて、右手を一度、アンダーフレーク送るムーブに変えることにする。いろいろなバリエーションを確かめるが、これが一番いいと納得する。最後の鍵を見つけたのかもしれない。
(3) ナイト・ディジィ・ダンス(12b)、×
11時半に、本気1本目をだす。ちょっと、動きが固かった。それと、午前中雨は降らなかったのだが、やはり湿度が高い。6p目クリップしてから、最後の核心セクション。アンダーフレークに指がかかったが、止らなかった。フォール。
(4) ナイト・ディジィ・ダンス(12b)、RP
青空が見え出した。向かいの尾根は紅葉しかけた木々に太陽があたりまぶしい。明日は岩が冷たいだろうなぁ。今日これで3便だしてしまうし、これで登れなかったら、今シーズン終わりかなぁと思う。登る前に3人でちょっとおしゃべり。緊張が少し解けたかもしれない。もう飽きるほどやってきた登る前のムーブの反芻。シューズの紐を締めて、取付きへ。1p目クリップして、靴の裏の泥を落とすいつもの作業。とても静かだ。何箇所かのポイントだけ、もう一度反芻する。最初の左トラバース。固い動きのまま、通過する。少し力をつかってしまった。5p目クリップして、アンダーガバでのレスト。あいかわらず、平行線のままだが、息は整えることができる。中段右トラバースも相変わらず力がいる。6p目クリップして、いざ、後半の核心へ。気をつけることは腰を入れることだけ。左手おにぎりホールドへ止った。腰をひねりながら、しっかり右足に乗った状態で、右手ダンゴ2個ホールドを中継。さらに右足乗り込んで、右手スプーン穴中継。左足を所定のチビエッジまで上げて、目標のアンダーフレーク見定めて、デッド。今度は止った!第一関節を曲げこんで指をねじ込む。左足チビエッジで、右足を三角形マッチホールドへ慎重にのせる。ここも何度か足を空振りしたところだ。次に、左足を掻きこんで、今日変更した左手穴ホールドを取る。よし届いた。右足を上げて、右手アンダーフレークを一手送る。よし! 右足をダンゴ2個ホールドへ戻して、左足をおにぎりホールドにかけて、左手を終了点テラスリップへ。うー、指先がしびれる。だが、これで元々の手順に戻る。慎重に足を踏み換え。右手をテラス上にあるガバへ。左足を最後のフットホールドへのせて、「ダーーーー!」渾身の力をこめて終了点のガバフレークへ。そして、終了点テラスに立った。「うぉーーーーー」。カサメリ沢中に響きわたるぐらい大きな雄叫びを上げた。
NDDは昨年6月に初見トライした際にトップアウトできてしまったのがよかったのか悪かったのか。通えば登れるのではないかと錯覚してしまいました。それは早すぎた出会いでした。結局、昨シーズンは下部のスローパートラバースは固めることができて、1テンを1回だけできたことにはできたのですが、とても下から繋げられるムーブまで詰めることはできずにシーズンを終えました。そして今シーズンも全く可能性を感じることなく始まったのですが、お盆前に最後のアンダーフレーク取りで、一つのきっかけを見つけることができました。お盆明けから、そのムーブ修正がきっかけになり、一つづつ鍵が解けていきました。そして、先々週はついにアンダーフレークを止めることができたのでした。だけど、すんなりとは登らせてくれませんでした。最後の最後のセクションにもう一つ鍵が必要でした。NDD、それは一つづつ、ムーブの鍵を解いていくようなルートでした。そして、この日、ついに最後の鍵を見つけて、RPすることができました。長かった。NDDは、場所、ベーストシーズンの短さ。しびれるようなムーブの難しさ。誰にとっても簡単には登らせてくれないルートだと思います。だけど、私はこのルートに出会って、本当によかった。そして、がんばれば登れる。それを実践できて、とても充実しました。また、こんな熱いルートに出会いたいです。
〇 NDDをRPする私
・アンダーフレークが止るところ。
〇 神の手をトライする箸も氏
・この日の最後のトライは本当に止ったとおもったのだが。
きん
何度も見上げたNDDの美しい壁と空の写真を見てると、あーこのシチュエーションも終わり、大好きなカサメリともしばらくお別れと思うとちょっとさみしかったりもします。が、また来週から新しい目標に向かって頑張りましょー。
やっぱり、10回やって出来なかったら登れるまでやる!だけなんですよね。また、そういうトライでしか得られないものがあるから、どハマりしても止められないんですよね~。
この冬も極寒の中、熱いクライミングになりそうですね。
私もがんばりまーす!
カサメリでは大変お世話になりました。また、別の岩場でお会いした際はよろしくお願いします。
私のレベルでは想像もつかない世界ですが、いつかは私も追いかけたいです。