インナーマッスル

かなり前からインナーマッスルの重要性が唱えられていますが、故障や怪我を防ぐという観点での情報が多いように感じます。特に肩の故障の原因になっていると言った例が多いですね。インナーマッスルを鍛える(鍛えるというよりは活性化させるというのが正しいようです)ことで、間接的でパッシブな効果のみならず、クライミングへの直接的でアクティブな効果はないのでしょうか。

〇インナーマッスルでバランスクライミング
「バランスを取る」には、筋肉による微妙な調整が必要で、その調整を行えるのがインナーマッスルだということらしいです。アウターマッスルの大きな筋肉による調整では、ガツガツとした動きになってしまうのでしょう。大きな動きの中にも、インナーマッスルの弱い力の範囲でスムーズな動きを加えることで登りがスムーズになると推測できます。特に、垂直以下の花崗岩の微妙なクライミングでのバランス能力は、このインナーマッスルのコントロール能力そのものに違いないように思えます。

〇 インナーマッスルで持久クライミング
インナーマッスルの力の割合を多くして登る(アウターの筋肉をなるべく使わない)ということは、長時間壁の中に居られるということになります。インナーマッスルで登るバランスのテクニックや、よりよいバランスで出来る限り足や体幹で登る技術や良い姿勢で楽に登る技術を習得することは、テクニカルな持久力そのものでしょう。被った壁でも同じことが言えると思います。傾斜の中でもいかに、インナーマッスルで維持される骨格によって重力の負荷に拮抗するか。これがクライミングのうまさ(効率的な登り方)に繋がっているのは間違えのないことのように思います。

〇 インナーマッスルでレスト
重力に拮抗する力を体全体のバランスで対抗し、インナーマッスルの範囲(骨格を支える力)でレストできれば、完全レスト(いくらでもそこに居られる)ができるはずです。実際は、そこまでのレストポイントはないので、レスト体勢維持のためにアウターも使われることになるのでしょうけど。インナーマッスルでレストするという考え方は、基本的な方向性として正しいように感じます。あまりレストできない私ですが、レストできるってのは、そういうことなのかなぁと想像しています。

こうやって整理してみると、インナーマッスルを鍛える(活性化)ということは怪我予防という観点だけでなく、クライミングの原理そのものに近いように思えてきます。そのインナーマッスルを鍛える(活性化する)にはどうすればよいのでしょうか。クライミングそのものを行っている間でも鍛えられるとは思うのですが、所謂低負荷での長時間トレーニングと言われているようです。それで、私は最近、週末の登らない日は水泳にいくようにしています。水の中では重力による負荷がなくなり、動く方向へ負荷がかかるようになるため、インナーマッスルトレーニングとしては最適だということです。全身有酸素運動でもあるので脂肪消費も兼ねられて、一石二鳥というわけです。さて、その効果は? 直接的な効果がすぐに見えないのがインナーマッスルトレーニングの継続する難しさのようです。私の場合は、脂肪消費や肩と膝(半月板摩耗の対策)の故障防止を目的に始めたのですが、クライミングへの直接的な効果も少しはありそうです。時間を作ってまめに泳ぐようにしたいと思います。

きん
by Climber-Kin | 2011-08-21 12:18 | クライミングの研究 | Comments(0)

 弱いわりには頑張っている、還暦を迎えた初老クライマー。体力と気力の衰えを感じながらも、13を10本!を登りたいなぁ。12以上100本も達成したいな。を目標にがんばっている日々を綴るクライミング日記。でも、最近はハイキングと沢登りばかりです。


by ヘビークライマーきん