ヘビークライマー”きん”のクライミング日記

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2018年 08月 19日

2018年8月11日~16日、黒部川上ノ廊下(扇沢駅~黒部湖~奥黒部ヒュッテ~黒部川上ノ廊下~薬師沢小屋~黒部川奥ノ廊下~三俣山荘~北アルプス裏銀座~野口五郎小屋~烏帽子小屋~高瀬ダム)

 今年も沢登りの最後に北アルプスの沢を登ってきました。どの沢から稜線へ上がるのか散々迷いましたが、28年前そして2年前に行った、すばらしい黒部川上ノ廊下を再度行ってみようという結論に至ったのでした。前回は赤木沢をつめたので、今回は奥ノ廊下を登り黒部源流をたどることにしました。さらに、登ったことのない鷲羽岳、(水晶岳、確か28年前に登ったはず?)、野口五郎岳、烏帽子岳と北アルプス裏銀座を縦走しようと自分達の体力を無視しして、壮大な計画を立てていたのでした。
 8/10(金)の20:30に出発して扇沢へ入りました。夜中に現地に到着すると雨でした。天気予報もよくありませんでした。とは言え、別のプランもなく、奥黒部ヒュッテまで入って、場合によっては、東沢谷から裏銀座へ入ろう。さらに場合によっては、気が進まないが読売新道から裏銀座を縦走しようとは思いながら、殆ど寝てないまま、黒部立山アルペンルートの切符売り場に並びました。
 8/11(土)、今日は、お盆休み初日の土曜日のアルペンルート、切符発売開始時間前から列ができていました。それでも、2本目の臨時0700便に乗れて黒四ダムへ上がれました。しかし、そこは雨でした。雨の中、平の渡しへ向かいます。アップダウンの激しい湖岸道を1200の渡しに間に合うために、急ぎます。しかし、荷が重くて足が進みません。こんなんで、この先大丈夫か?と不安に思いつつも、何とか1140に平の小屋に到着できました。登山客は多かったです。10人定員の平の渡しの1200便は3回往復していました。そして、さらにアップダウンの激しい、平の渡し~奥黒部ヒュッテの2時間で疲労困憊、既に体中バリバリになってしまったのでした。どうも大汗をかいて水分不足に陥ったようでした。ツェルトを張って、一息ついていると筋肉が冷えだして、下半身を激しく攣ってしまいました。金縛りにあったように動けません。さらに不安がたちこめました。これじゃ明日から入渓なんて無理だよ~と思っていたところ、お風呂があると、隣のテントの方から聞きました。こんなところで風呂に入れるとは助かりました。小さな湯舟ですが、そのお陰で、疲労がとれました。これで何とか明日は入渓できそうです。これ以降、水分不足を気を付けて、まめに水を取ったおかげで、これ以降、足を攣ることはありませんでした。
 8/12(日)、いよいよ入渓です。昨夜の雨の影響はなかっのか?平水のようでした。何故平水かと言うと、2年前より水が多いことと、黄色のヌルヌルコケラインと水線が一緒だからです。まずは、広河原を歩きます。先日知り合った、11日のうちに入渓していた浜松の3人パーティへ手を振りながら、そのビバーグ地を通りすぎて、下ノ黒ビンガへ至ります。先行パーティが左側をトラバースしていました。我々の方は、いつものごとく、フローティングロープを引いて、できる限り左手上流側から対岸へ泳ぎました。ストックを握りながら泳ぎ出したのは失敗だったと思いながら、ぎりぎり対岸の岩にしがみついてセーフでした。その次は、第2の核心、口元のタル沢出合先のゴルジュです。2年前はゴルジュ出口のところに直径2m級の石が数個あって、それを利用して突破したのですが、今回は、そんな巨岩が見当たりません。いつかの増水で流れてしまったのでしょう。それでも平水だったので、空身でロープを引きながら、中央の浅瀬から右壁へ移り、壁沿いにへつって、そのまま突破できました。下ノ黒ビンガで追い越したパーティが見当たらなくなり、てっきり高巻したのかと思っていたら、その2日後奥ノ廊下ですれ違いました。口元のタル沢を遡行して、上から上ノ廊下を下降するとのこと奥ノ廊下ですれ違った際に聞きました。
 平水だったので、上ノ黒ビンガまで問題なく通過しました。そして、その上ノ黒ビンガですが、なんと、クライマーが取り付いていました!びっくり!30cm級の落石しながら登っていました。自然に帰ってというより、最初から自然の岩でしょうからねぇ。順調に金作谷S字ゴルジュも超えて、2年前にも泊まった、1692mの少し手前のビバーグ地を今夜の宿と決めました。
 8/13(月)、夜に結構な雨が降りました。タープに雨水が溜まっていました。起きた時は、まだ雨が降っていました。まだ後半の核心がのこっています。出発するころには雨がやんでくれました。すぐに雨が降ってきそうで、緊張しながら出発したのでした。その予感は当たっていました。泳いで対岸のスラブトラバースあたりで、雨が降ってきました。濡れたスラブはパートナーさまのフェルトシューズには厳しく、雨激しい中、短くピッチを切って、こなしました。そこから増水気味となりました。なんで、あんなところに残置ハーケンがあるのかなぁ? 増水になって、理由がよ~くわかりました。渡渉するところで、増水で渡渉できず、高いところまで追い込まれるのですね。なるほど~。緑茶色に増水した上ノ廊下でした。随分時間が掛かってしまいましたが、何とか逃げ切れて薬師沢小屋に到着できました。今回も、上ノ廊下を突破することができました。当初は天候悪く撤退だろうと思っていたですが、何とか突破できました。よかった!よかった!
 今回は工程が長かったので、記事を3つにわけて、「黒部川上ノ廊下」、「黒部川奥ノ廊下」、「北アルプス裏銀座から下山」と記事を分けました。

〇 2018年の上ノ黒ビンガ
・何度来ても、美しい。この光景を見るためにチャレンジしているんだと思う。これほど完成された自然の景色は珍しい。
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〇 装備とコースタイム
・メンバー、まーさま、きん、計2名。
・共同装備、8mm×40mロープ、15mフローティングロープ、テープ、カラビナ、カム小さ目4個、ハーケン、テント、タープ、着火剤。ライフジャケット各、アイスハンマー各。その他雨具、着替え、ハーネスなど各。
・コース時間
-1日目(アプローチ)
5:40、扇沢駅切符購入(混雑)
7:00、扇沢駅トロリーバス出発
7:20、黒部湖着
11:40、平の渡し着(小屋でゆっくりしていたら3便目になってしまった)
12:20、平の渡しの出発(船は10人乗りで10人づつピストンしてくれます)
12:30、平の渡しから出発
14:30、東沢出合、奥黒部ヒュッテ着
-2日目
6:00、奥黒部ヒュッテ出発
14:30、金作谷先1692mの出合手前着、ビバーグ
-3日目
5:50、ビバーグ地出発
15:00、薬師沢小屋着

〇 朝の扇沢駐車場
・8/10(金)の24:00ぐらいに到着した時点で、市営無料第一駐車場は既に満車でした。我々は市営無料第二駐車場に車を停めました。こちらはまだ空いていましたが、翌朝出発する時は満車状態でした。やはり、前夜発が正解のようです。
・有料駐車場は06:00ごろでも、また空いていました。上部の第一と第二が12時間1000円。下部の第三と第四が24時間1000円のようです。空いているはずです。
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〇 立山黒部アルペンルート扇沢駅6時頃の様子
・始発は6:30で、その40分前から切符販売開始ですが、既に長蛇の列でした。5:50に並んだのですが、購入まで40分ぐらいかかり始発0630には乗れませんでした。臨時の0700便に乗れました。
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〇 黒四ダム通過
・少し降ってます。
・「おばさ~ん!ザックが傾いてますよ~!」
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〇 黒四ダムの遊覧船
・これ載せて行ってもらって、バックウォーターまで行ってくれないのかなぁ。
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〇 平の渡し
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〇平の渡し~奥黒部ヒュッテ
・上ノ廊下が見えだしました。
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〇 奥黒部ヒュッテ
・いい味出してます。
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〇 緊張の出発
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〇 広河原
・最初は平穏な河原が続きます。
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〇 あっ、下の黒ビンガ
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〇 下の黒ビンガ、渡渉後
・先行パーティを追い越しました。先行パーティは泳ぐの嫌いみたいでした。我々は最初から泳ぎました。
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〇 口元のタル出合先ゴルジュの突破
・空身でロープを引いて右壁へ移り、ヘツリました。
・ロープで自分のザックとパートナーさまを釣り上げました。
・2年前にあった、3m級の巨岩達は、ここから、すっかりなくなっていました。この2年の間に、いったい、どんな大増水があったのか? 想像するだけで恐ろしい!
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〇 上ノ黒ビンガ
・美しい! この光景を見るために来たようなものです。
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〇 上ノ黒ビンガを登るクライマーパーティ
・古の上ノ黒ビンガの岩場を登攀! 凄い!
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〇 金作谷先S字ゴルジュ
・右側をへつって行き詰った後対岸左へ泳ぎます。2年前は岩に立ってから飛び込んだはずですが、今年はその岩はヌルヌルで上がれませんでした。
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〇 安堵のビバーグ地
・ここ砂地でよいです。立石までいっちゃうと、ここまで平地で快適なビバーグ地はないでしょう。
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〇 一抹の不安を覚えながらスタート
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〇 二日目の核心の始まり、スラブトラバース
・泳いで渡るですが、大きな石が沢の中にあって、渡渉は難しくありません。
・このスラブのトラバースはフェルトシューズにとって核心になります。ゴム底だと快適で、全然問題ありません。



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〇 美しい沢景
・まだまだ、水は多いです。
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〇 4m懸垂
・記憶がない? 前回は沢沿い行ったのか?勘違いか?
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〇 薬師沢小屋到着
・あっ、見えた。
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きん


by Climber-Kin | 2018-08-19 10:43 | 沢登り | Comments(0)


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