「スタティックムーブとダイナミックムーブの得意不得意について」
kのさんのBLOGでデッドの話がきっかけにいろいろな議論が出たが、私なりの考えをまとめておきます。豆柴さんからも、どうしてと聞かれてしまったことだし。
私は、初速度+デッドを、どちらかというと、デッドのやり方というのでなく、初速度の使い方を先に考えています。通常のハイステップやアウトサイドステップでも、使えるときは初速度つけています。いわゆるダイナミック的な要素のある動きをいつも意識しています。その際に必要な正確な連動性と制御、そしてバランスを練習しているという感じですね。その先にデッドがあり、クロスがあり、ハイステップがありというふうに今は捉えています。
なぜ、初速度をこんなに気にするかというと、スタティックな動作は、力をかけている時間が長時間になるので、筋持久力が高い人向きだと思っているからです。体重が軽い人も有利ですね。その逆の人は、よいホールド、よいバランスのところで短時間で運動エネルギーを作り、バランスが悪くなってくる領域では、最初に作ったエネルギーをうまく利用することで、力を掛ける時間を短縮した方が効率的だと思っているからです。スタティックムーブを好む人得意な人とダイナミックムーブを好む人得意な人は、以下の傾向があると思っています。スタティックでないと登れないルートもあれば、ダイナミックムーブでないと登れない課題もありますから、通常の登りにおいての傾向です。
(S) タイプ : スタティックに登る人または好む人の特徴
瞬発力はあまりないが、筋持久力が高い。
筋肉量が少ない。
遅筋が多い。
体重が軽い。
カチ持ちが多い。
女性に多い。
きれいな登りと言われることが多い。
丁寧に登っていると思われることが多い。
バランスが悪いムーブが続くと、やはりパンプする。
RPとオンサイトグレードにあまり差がない。オンサイトトライに強い。
(D) タイプ : ダイナミックに登る人または好む人の特徴
瞬発力は高いが、長時間の筋肉稼動を行うとすぐにパンプしてしまう。
筋肉量が多い。
速筋が多い。
体重が重い。
オープンハンドが多い。
男性に多い。
躍動感ある登りに見える。
雑に見えることがある。(習熟度が必要)
ムーブで迷うと、すぐにパンプしてしまう。
オンサイトグレードとRPグレードの差が大きい。(ムーブの最適化による効果が大きいため)
私は当然、(D)タイプです。要するに、筋肉の量とエネルギーの使用量、 パワーと乳酸排出量と除外能力の関係、体重の関係からこの仮説は以外とあっているような気がします。短いルート、ボルダーだからダイナミックに登る。長いルートだからスタティックに登るのではなく。ルートの長さに関係なく、できる限り初速度を応用して、パワーをかける時間を短縮してムーブをこなしていくのが一番、自分にあっていると思っています。ダイナミックな登りだと、すぐにパワーを使ってしまうようなイメージがありますが、私は、そうではなく、各ムーブにおいて、短時間にパワーを集中することで、逆にパンプさせずに、登ることができると思っています。(D)タイプの人は、少なく長く筋肉を稼動させるより、短く強く筋肉を稼動させた方、被った長い持久力ルートで疲れずらいと感じています。
きん